「トラウトは育て方で“引き”が変わる」って、知ってましたか?
釣り場で「うわっ、こいつヤバい…!」って思うほどの強烈な引きに出会ったこと、ありますか?
実はそのトラウト、育て方から違うかもしれません。
トラウトたちは、「どう育てられたか」でまったく別の引きを見せるんです。
これは釣り人の間ではあまり知られていない“裏話”かもしれません。
■ ファイトの強さ重視 vs 身の色や味重視
トラウトらんどでは、魚の育成において最も大切にしているのは「魚の引きを楽しんでもらうこと」です。
弊社の養魚施設で育てている魚たちは、円形水槽で24時間水流の中を泳ぎ続けて育った、“アスリート魚”です。
これは単なる養殖じゃなく、いわば“トレーニング”のようなもの。
円形水槽では常に水が回り続け、寝る間も魚は止まることができません。
自然と筋肉が発達し、体高が出て、尾びれが分厚くなる。
これが、釣り人のロッドを容赦なく絞り込む強烈な引きを生むんです。
常に泳がせ続けることで筋肉が鍛えられ、よりパワフルでスタミナのある魚が育ちます。
一方、食用として出荷することを目的に、注水だけで泳がせた個体や、密度の高い水槽でじっとして育った魚は、動きが鈍く、引きも短い。
釣った魚をよく見ればわかりますが、ヒレがボロボロ。体表も擦れている。それでも味や食感が最優先されるため、食用魚としては価値が高いです。
食用魚でも引きの強い魚もいるって?
いや、それただ重いだけです……
別の記事で書きますが、「重い」と「強い」は別物です。
例えば同じ車のJeepでも、「タイヤがすり減ってボロボロ」になった車は、機動力が落ちますよね?そんなタイヤで山道やぬかるみをガンガン走れるか?ということです。
魚においても、ファイトの強さが明らかに違います。
釣っても「あれ、もう寄っちゃった?」なんて肩透かしになることもあります。
いいですか?釣った魚はよ~く観察してください。
頭の先から尻尾の端まで。
大物を釣って興奮のあまり、目の前の魚まで見えなくなっている人、結構いますよ!
「釣る楽しさ」を追求した魚づくり
トラウトらんど(北宮城フィッシングエリア)で放流している魚の多くは、釣った瞬間に“グッとくる”手応えを味わえるよう、工夫して大切に育てています。
そもそも当エリアの魚は、食用として味の良さを追求しているわけではなく、あくまでレジャーとしての釣りの楽しさを最大限に引き出すことを目的としています。
だからこそ、初心者の方でもベテランの方でも「また釣りたい」と感じていただける魚との出会いをご提供できるのです。
まさに、「管理釣り場での釣りを楽しむことに特化した魚」というわけです。
■ 記憶に残る1本のために
食用魚の養殖では、「味」「脂」「身の柔らかさ」が重視されますが、管理釣り場向けの魚は味よりも、“ファイトの面白さ”が大事。
あっさり釣れた魚は、数日後には記憶が薄れます。
しかし、かけた瞬間にロッドを絞り込まれ、何度もラインを出させ、苦戦してようやくネットインした魚のことは、何年たっても忘れません。
引きが強い魚は、釣り人にとって「記憶に残る1本」になります。
だからこそ、私たちは魚を泳がせ、鍛え、仕上げていくんです。
同じニジマスでも、「どこでどう育ったか」でまるで別の魚になる。
だから釣りは面白いし、管理釣り場ごとに“個性”が出るんです。
次に魚をかけたとき、
「こいつ、どんな育てられ方したんだ?」と想像してみてください。
その一匹との勝負が、より記憶に残ると思います。