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釣り人のためのナイフ‐フィレナイフの物語

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フィッシングナイフと言えば、薄く柔軟な刃を持つフィレナイフ。 このナイフの物語は1928年フィンランドラップランドで始まりました。


ラップランドは最北端の地とも言われ、その気候ゆえに南部を除いて植物も非常に少ない場所です。その代わり鉱物資源が豊富で、海や川には多くの漁場もあり、トナカイやクマなどの動物も多く生息しています。そのため人々は主にトナカイを飼って食料にし、毛皮を売るなどして生計を立てています。そのほか狩猟や釣りを仕事にしている人々も少なくありません。

このようにラップランドでは、肉や魚の売買を仕事にしている人々が多いため、より効率的に肉や魚を捌くための道具として考えられれたのが「フィレナイフ」でした。

鍛冶屋のジャンヌ・マルッティーニは、想像できる最も過酷な環境でも使用できるように、その土地の天然資源を生かしトナカイの革や角、そして最高品質の鋼を使用して、職人の技術と組み合わせることで、美しさと強靭さ併せ持つ実用的なナイフを生み出しました。

これがあの有名なマルッティーニのフィレナイフです。

フィレナイフの特徴は、細長く柔軟性があり、その形状ゆえに魚を捌くことに特化していることです。


鍛冶屋だったジャンヌ・マルッティーニは、自分自身でナイフを地域全体に売り、大家族を支えました。そして1928年、J. マルッティーニズ.ファクトリーという会社を設立しました。そのナイフの実用性が地元で非常に人気となり、ナイフの売り上げは着実に増加し従業員の数も増えていきました。


1952年には、ジャンヌ・マルッティーニの息子トイヴォ・マルッティーニがアメリカにそのナイフを輸出したことで、世界中にマルッティーニのフィレナイフが知れ渡るようになり大量の輸出につながりました。1967年にはジャンヌ・マルッティーニの会社は当時のフィンランドの大統領から輸出賞を受賞するまでになりました。

現在でもラップランドの工場で毎日およそ1000本ものナイフが生産されています。今では職人技と現代技術を合わせて様々な種類やデザインのナイフが作られ世界中に輸出されています。