管理釣り場や釣り堀で、最近カワウの数が減ったような気がする方がいると思います。
来てるけど冬と比べると数が少なくなった、時々しか来なくなったなど。
どこかで有害駆除対策が効いたのかな?
そう思いたいところですが、カワウの数が減ったわけではありません。
むしろ、さらに増える準備に入ったと考えた方がよさそうです。
5月~6月に全国の河川でイワナ、ヤマメ、アユなどの稚魚放流が始まると、カワウは一斉に河川に分散していきます。
その結果、一時的に釣り堀などではカワウの姿を見かけなくなったり、数が減ったように感じます。
河川放流直後の稚魚は、すぐに分散せず、1ヶ所に密集することが多く、分散するまでに時間がかかるため、カワウやカモ、サギ、カモメなどに簡単に捕まえられてしまいます。
河川放流時期は、カワウにとってはごちそう期間で、大量のエサを目の前に準備してもらっているのと同じです。
そのごちそうを糧に、また繁殖していきます。
「魚を増やそう」と川に放流した魚が、皮肉にもカワウの個体数を維持・増加させるための餌として機能してしまっているのが現状です。
河川放流によって一時的にカワウが分散し、目の前の釣り場が平和になったように見えているだけ。
この食べ放題シーズンが一段落すると、お腹をすかせたカワウたちはどうするでしょうか?
実は最悪のサイクルに陥っているのではないか、という個人的な考え。
「河川放流」と「カワウの個体数急増」の間には、非常に深い相関関係があります。
1970年代後半から放流量の急増を追いかけるようにして、1980年代からカワウの爆発的増加が見事にリンクしているのです。
流れをみてみると、
・1970年代前半:放流量は非常に少なく、カワウは絶滅寸前となっていました。
・1970年代後半〜:魚の養殖技術が確立し、 全国の川に大量のヤマメ、イワナ、アユが放流され、川の魚の密度が一気に跳ね上がりました。
・1980年代〜:放流によって魚が濃くなった川を餌場とし、増加し始めました。
・1990年代〜2000年代:本来、冬場などは餌が減るはずですが、放流した食糧があるため、冬を越せる個体や雛の生存率が劇的に上がり、カワウが爆発的に増加しました。
漁業被害が深刻化していて、 増えすぎたカワウが、せっかく放流したヤマメやイワナ、アユなどを片っ端から食べてしまうため、現在は漁協が対策に追われるという結果になっています。
今はこれが当たり前のように負の連鎖となっているのでは?
河川放流が始まる➡カワウが川へ分散(釣り場は一時的に平和になる)
川の放流魚を荒食い ➡カワウが増える
もともと川にいた魚まで減る ➔ 増えたカワウが再び釣り場へ大襲来
結局、良かれと思って行う放流が、カワウを育てることになり、巡り巡って最終的には釣り場の首を絞めるという、最悪のループになっているのではと思います。
放流手法の工夫(分散放流)や、川のシェルター(隠れ家)作りに力を入れているところもありますが、それ以上に、抜本的なカワウの個体数調整が必要です。
これらをセットで考えない限り、この「カワウに餌をあげるための放流ループ」から抜け出すことはできないのかもしれません。
駆除あるのみ!