
カワウの被害が、ここ最近あまりにも酷すぎるので、今年に入って感じたカワウの変化について書いてみます。
これまでカワウという鳥は、「水中で魚を捕まえることに特化している代わりに、飛行や動きはそれほど器用ではない」そんな認識が一般的でした。
実際、昔からこう言われてきました。
・離水時には助走が必要で水面をバタバタ走らないと飛び立てない
・飛翔中は小回りが効かない
・狭い場所や障害物が多い場所は苦手
だからこそ、「広い川」「大きな湖」「開けた場所」が主な狩場で、山に囲まれた養殖場や、木々が周りを囲むように茂っている所、狭く複雑な地形などは、ある程度カワウから守りやすいと考えられてきたわけです。
ところが、です。
最近のカワウ、明らかに動きが違うように感じてなりません。
「最近のカワウ、器用すぎる」
・狭い水路に平然と入り込む
・ネットや構造物の隙間を読んだように飛行する
・空中で急な方向転換をする
・小回りが利くような動き
「え? カワウってそんな動きできたっけ?」
と思わず声が出るレベルです。
かつての直線的で不器用なイメージがなくなりつつあります。
カワウが進化したのか?
もちろん、短期間で生物が劇的に進化するわけありません。
でも、行動の最適化は話が別です。
カワウが増えすぎた結果、何が起きているか?
河川・湖沼の「楽な狩場」はすでに飽和状態。
そうなれば当然、縄張り争いで弱い個体は追い出されます。
生き残るには、今まで行かなかった場所で魚を獲るしかない。
その結果どうなるか。
複雑な地形にも対応できる個体となり、その個体が生き残る。
つまり「数が増えすぎた結果、適応できない個体が淘汰されている」という状態に近いと感じます。
養殖場・管理水域が狙われる理由
養殖場や管理された水域は、カワウから見ればとても魅力的です。
まさに食べ放題の楽園。
・魚影が濃い
・池の中で管理されているため魚の逃げ場がない
しかも最近のカワウは、
・ネットの張り方を見る
・人の動きの時間帯を読む
・一度追い払われても、別ルートで侵入する
完全に学習している行動です。
「そんなことあるわけないだろ」「鳥だからバカだろう」と思うかもしれませんが、事実です。本当に賢いんです。
鳥だから頭が良くないというのは、もう昔の話です。
カワウは「魚を獲るプロ」であるということを再認識
カワウは 水中で魚を捕まえることに全振りした鳥 です。
・視力
・泳力
・持久力
・集団での情報共有
魚を獲ることに関しては、人間が思っているよりはるかにレベルがが高いです。
そして今はそこに、
・複雑な地形への対応力
・行動パターンの柔軟さ
まで上乗せされてきている状況です。
被害が減らないどころか、年々「狩りの質」が上がっているように感じるのは、決して気のせいではないと思います。
問題の本質は、「カワウが悪い」というよりは、
・駆除が必要な段階で、駆除せず追い払いをしたことで、数が増えすぎたこと
・増えすぎた結果、居場所を失った個体が無理をし始めていること
これが、養殖業者や管理釣り場、内水面漁業にダイレクトに跳ね返ってきています。
しかも被害は、年々ひどくなる一方です。
あまりこういった情報を発信する人がいないため、被害状況が表に出ていないだけで、想像以上に深刻です。
「昔のカワウ」を前提にした対策は通用しない
昔のイメージのままの対策では意味がない。
・小回りが効かない
・狭い場所は来ない
・人がいれば避ける
これらは、もう全部当てはまらないです。
今のカワウは、「数が多く、学習し、適応し、生き残るためなら何でもする」
そんな存在になっています。
これは愚痴でも、被害アピールでもありません。
現場で起きている変化を、正確に認識してほしい、ただそれだけです。
増えすぎた結果、人間の想定を一段超えた行動を取り始めている鳥、それがカワウです。
対策も、認識も、そろそろアップデートしないといけない時期に来ているのではないでしょうか。