
「渓流の王」とも称されるイワナ(岩魚)。
冷たくきれいな川の上流に生息し、美しい模様と野性味あふれる引きで多くの釣り人を魅了してやまない魚ですが、実はその見た目からは想像もつかないほど獰猛(どうもう)な魚であることをご存知でしょうか?
イワナはデカい魚を食う
イワナは昆虫やカエルなども捕食しますが、ある程度成長すると魚を好んで食べるようになる、いわゆる魚食性の強いサケ科魚類です。
そしてその捕食対象となる魚の大きさが、尋常ではありません。
イワナは、自分の体長の約70%(7割)までの魚を丸呑みします。
丸呑みといっても一瞬で飲み込むわけではなく、頭や尻尾から咥え、泳ぎながら時間をかけて飲み込んでいきます。
たとえば体長30cmのイワナなら、20cmを超える魚まで捕食する、ということです。
これは実際に養魚場や管理釣り場で起きた事例や、胃の内容物の調査からも明らかになっています。
この記事を読んでいる釣り人の中には、釣り場で魚が共食いしている様子をみたことがある人もいると思います。
養殖場では、ニジマス、ヤマメなど、異なる魚種を一緒に入れて育てる場合でも同様にイワナによる捕食行動が見られます。
動きの鈍った個体が格好の餌になることも多いです。
ニジマスやヤマメも共食いはしますが、イワナほどではありません。
当然体長に差があるほど共食いの傾向が高くなりますが、、自身の7割まで捕食するというのはイワナならではです。
なぜそんなに大きな魚まで狙うのか?
イワナは山岳渓流のような「エサが少ない環境」で生きていく魚。
だからこそ、一度の食事でできるだけ高カロリー・高効率な栄養を摂ろうとする本能が働きます。
イワナの体が特にヌメヌメして滑りやすいというのも、狭い石などの隙間に入り込み捕食するためでもあります。
つまり、「食えるものなら多少無理してでも食う」というのが、彼らの生き残り戦略なのです。
かなり攻撃的かつ貪欲な性格です。
「自分の体の7割サイズまで食べてしまう」といった習性は、自然界で生き残るための本能であり、同時に釣り人にとってはルアーフライの選定、釣りのアプローチの参考になると思います。
また、イワナは縄張り意識が強く、異なる魚種に対しても自身の縄張りに入った場合攻撃、または捕食することがよくあります。
これは、スレた個体や放流後しばらく経った個体を狙う際にも役立つ情報だと思います。
イワナは美しくも獰猛(どうもう)で、まさに自然界の本能を体現した存在です。
ちょっとしたことですが、こうした魚の習性を知ることも釣果UPのきっかけとなれば幸いです。