魚に性格?と聞くと驚く人もいるかもしれません。
魚種によって性格に違いがあることは、釣りを長年やっている人なら知ってる人も多いと思います。ニジマス、ブラウントラウト、イワナ、ヤマメなど、それぞれ性格に特徴があります。
しかし、同じニジマスでも個体によってまた性格があることが明らかになりつつあります。
釣りがさらに面白くなりそうなテーマですね!
同じニジマスでも性格があるの?
ニジマス(レインボートラウト)には、性格の違いはちゃんとあります。
養殖や行動研究の分野では、以下のような特徴が確認されています。
ニジマスの性格の違いでよく知られている点
■ 積極型(大胆で支配的)
積極的にエサ場に早く出てくる「大胆な個体」。
群れの中で序列ができやすく、強い個体がエサを独占することがある。
性格的に攻撃的な個体は、体も大きくなりやすい。(体が大きいから攻撃的になるのかもしれない)
■ 慎重型(おとなしく臆病)
エサ場でも様子を見てから近づく「慎重な個体」。
おとなしい個体は、ストレスを感じやすく、病気にもなりやすいことがある。
警戒心が強く、新しい環境や刺激に対して動きが鈍い。
ストレス耐性の違いでは、ストレス環境下(例えば、魚を水質の異なる池に移動したときや、ほかの魚種との混合養殖など)では、すぐ動く個体と、あまり動かない個体に分かれたり、ストレスホルモンの量も異なるという研究もあります。
おもしろいポイント
このような性格の違いは、生産効率や成長速度、病気に対する抵抗性などに影響することがわかっており、性格と「養殖効率」には関係があるということで、最近では「性格選抜型の品種改良」も研究されている。
例えば「落ち着いていて無駄な争いをしないけど、エサには良く反応するタイプ」が理想とされるなど。
これまでは「気のせい」や「なんとなく」と思っていたことが、近年の研究で裏付けられつつあるということですね。人間に個性があるのと同じように、魚も生き物だから個性があるんですね。
おわりに
魚は無表情。でも、よく観察してみると、ちゃんと「その子らしさ」が見えてくる。
というのが今回の記事で伝えたいことです。
釣りに行って魚を引き寄せネットに入れたとき、魚を見るたびに、ただ見るのではなく、この子はどんな性格の子なのかな?
という観察の視点で見ると、釣りがさらに楽しくなると思います。